2016年2月11日から2月14日まで幕張メッセで開催された、日本最大のキャンピングカーショー『ジャパンキャンピングカーショー2016』に行ってみました。
幕張メッセ1-3ホールはキャンピングカーだらけ。

なぜこのイベントに来たかといえば、2015年の同イベントでホンダが発表したコンセプトモデル、N-BOXベースの軽ピックアップトラック『N-TRUCK』とキャンピングトレーラー『N-CAMP』に興味を持ったから。
コンパクトな外観、日常使用できる機能性、居住性抜群なトレーラー、どれを取っても興味が尽きない。
(しかし、同モデルの販売は2016年2月現在明らかになっておらず、今年はその続報もないことから幻となったのだろうか)
キャンピングカーといえば、よくある巨大な車体を思い浮かべるけど、それ以外のものもいろいろあった。というわけで、種類別に見ていこう。
キャンピングカーの種類
キャンピングカーは、基本的にトヨタや日産などのベースとなる車をカスタマイズしたもの。なので、よく見るとキャンピングカーの正面や運転席まわりは、既存の車と同じであることが分かる(なので、普通免許で問題なく運転できる)
軽キャンピングカー
まずは、これ。名前の通り軽自動車をベースにしたキャンピングカー。最近ではスズキのハスラーや、ダイハツのウェイクなど居住性を重視した車が多いけど、それらをさらにパワーアップしたものという印象を受けた。
こちらはホンダのN-BOXをベースにしたもの。

オレンジ一色の車体が印象的。

見た目には普通の軽ワゴン。

このあたりは、後述するキャブコンに近いスタイル。デザイン的には結構好き。

これはピックアップキャビンスタイル。

キャビン部のデザインがオシャレな感じ。

よく見ると、軽トラだということが分かる。

軽とはいえ、中身は本格的。二人で出かけるには十分な居住性がある。

価格としては、200-300万円ほどのレンジが多かった。このクラスには、普通の駐車場にも停められるという利点がある。軽キャンピングカーは可愛いのが多い上に、手を出しやすい価格帯なので、思わず買う理由を探している自分がいた。
バンコン
お次はトヨタのハイエースや日産のNV350などのバンをベースにしたもの。
※各バリエーションに付加される“コン”とは、conversionのことらしい。

見た目には普通のバンのように見える。

もちろん、中身はフルカスタマイズ。

バンコンゆえ、ちょっとした誤字も発見してしまう。

価格は400万円台のものもあれば、700万円台のものあった。
キャブコン
キャブコンは、運転席(キャブ)を残して、車体ごとカスタマイズしたもの。世間一般的にキャンピングカーといえば、このキャブコンのこと。その存在感は半端ない。

これはトヨタのカムロードがベース。「トヨタ カムロード」で検索したら、トヨタのウェブサイトではなくキャンピングカーのメーカーが出てきた。

これもトヨタ。

もはやトラック。

ごつい。こんなの運転できない。

建造中のキャブコンはこんな感じらしい。

内装もすごい。ホテルか。

お値段は700-800万円台が多数。
フルコン
シャーシ以外はすべてオリジナル。フルコンバージョン。見た目にはほとんどロケバス。(バスをベースにしたバスコンというのもあるらしい)

フロントガラスが大きくて運転するのも気持ちよさそう。でかいけど。

なお、フルコンタイプはどんなに安くても1000万円オーバー。まさにキング・オブ・キャンピングカー。
ここまでくると、車中泊とかいう生易しいものではなく、住めるレベル。
トラベルトレーラー
ここまで見てきたのは、既存の車やシャーシをカスタマイズしたものだけど、キャンピングカーといえば、牽引するタイプのものもある。

アメリカの映画に出てきそう。

バイクが入るサイズのものもある。簡易ガレージにいいのかも。

丸っこいタイプのものもあった。

中身はちょっとしたリビングといった感じだ。

なお、750kgをオーバーすると、牽引免許が必要になるそうな。
ルーフテント
車の上に載せるタイプのテントも数多く展示されていた。これなら、普通車でも寝る場所を確保できる。また、車を改造しなくていいので、どんな車にも載せられる。

たまに屋根に載せているのを見かけることがあったけど、その正体はこれだったのだ。

出入りするにはハシゴを使う。

車体に載っていたのはこれ。

一人なら十分、二人でも寝れそうなスペースだ。

基本的には載せるだけなので、キャンピングカーと比べると格段にお安い。
キャンピングカーのトレンド
シニア層以外への提案
キャンピングカーのメイン層は、お金も時間もあるシニア層が中心。このイベントに参加している年齢層も全体に高め。(と言っても30代以降)
しかし、ハスラーやウェイクなどを見ても分かるように、若年層へのアピールが今後の課題のよう。ターゲットをまとめてPOPにしてくれているメーカーがあったので、そのまま載せちゃう。

家庭用エアコンと電源
快適なキャンピングカー生活に欠かせないのが、電子レンジ・テレビ・エアコンなどの電化製品。そして、これらをまかなう電源として、エンジンで充電するバッテリーと、ソーラーパネルがあるようだ。

また、エアコンはキャンピングカー用ではなく、家庭で使われる一般的なエアコンを搭載するのが流行りのよう。

見たことあるサイズ感。はじめは意外だったけど、考えてみれば合理的ではある。

室外機が車内にあるのだ。

ペット(主に犬)同伴
今回のイベントは、犬の同伴が可能だったので、多くの犬連れの方たちがいた。ペットを連れての旅は多くのニーズがあるようで、専用の洗い場をビルトインしたキャンピングカーもあった。

座席にケージを固定するものもあった。

大手自動車メーカーの取り組み
ここまで見てもらうと分かる通り、一般的なキャンピングカーとは『既存の車体をカスタマイズしたもの』なのだけど、一般的な自動車メーカーも出展を行っていた。
日産
ベース車体としてよく使われているNV350の展示を行っていた。

ホンダ
こちらはもっと具体的に、ライフスタイルの提案まで行っていた。(残念ながら、N-TRUCKやN-CAMPにまつわるものは何もなかった)

キャンピングカーに必要なものは「電気」ということで、東京モーターショーで発表した蓄電機E500のプロトタイプを展示していた。

まさか、バッテリーにファッションを持ち込むとは思わなかったけど、これはこれで親しみやすさがあっていい。

あと、バモス ホビオをベースにした「ホビオ FLEX コンセプト」。マットなイエローカラーは欲しくなる色合いだ。

「活動基地」というコンセプトで、作業小屋のような世界観を作り出していた。キャンピングカーとはまた違うけど、「移動できる生活空間」として、とても憧れる提案だった。

というわけで、実に奥深いキャンピングカーの世界。こうして一堂に会したキャンピングカーを見て回ると、実に様々な発見があって楽しくなった。すぐに手を出せる代物ではないけど、ゆくゆくは選択肢の一つに入れてみたいと思う。
なお、キャンピングカーはレンタカー(24時間で2〜3万円程)もあるらしい。大勢で出かけるときは楽しいかも!