Anker製品のレビューを読みにいらっしゃった方は「ケーブル1本で大騒ぎするもの?」と思われるかもしれません。
実は、Apple以外の製品では、長らくUSB-C to LightningケーブルがMFi(Made For iPhone)認証されておらず、正規品と呼ばれるものが未発売でした。
このため、USB-CなMacBookユーザーは、高い純正ケーブルを買うか、未認証の他社製ケーブルか、変換アダプタを使うしかなかったのです……
※ここからしばらく回想なので、興味のない方は、レビューまで読み飛ばしてください!
USB-CとLightningケーブル、2015年から4年間の攻防
本サイトでも、たびたびUSB-C to Lightningケーブルについて扱ってきました。
そう、2015年にUSB-Cを初めて搭載した初代MacBookが登場したときから、この戦いは始まっていたのです。
2015年、変換アダプタでしのぐ
純正のUSB-C to Lightningケーブルは既に存在していたので、そのうちAnkerからもケーブルが出るだろうと楽観していました。(その他のAnker製USB-Cケーブルは8月にリリースされていました)

当時はまだ珍しかったnonda製のUSB-Cアダプタを使ってUSB-C to Lightningケーブルを実現しました。

2016年、連結型ケーブルで実現する
Kickstarterで出資したInfiniteUSBは、当時としては珍しいUSB-Cによる連結型ケーブルで、USB-C to Lightningケーブルが実現できました。ただし、USB PDどころか、MFi認証もされていません。

2017年、3in1ケーブルで実現する
変換コネクタで実現、という但し書き付きながら、LOE製品ではUSB-C to Lightningを実現していました。MFi認証の無いものです。

2018年、MFi未認証のケーブルを買う
Aukeyから、USB-C to Lightningケーブルが出たとニュースリリースが出たので、ついにMFi認証された正規品が出たのかと買ってみれば、MFi認証が通ってない製品だったり……

USB-C to Lightningケーブルをめぐる戦いは、↑の記事にも書いておりますので、よろしければどうぞ……
2019年、エレコムとAnkerどちらが早いか?

そろそろMFi認証された製品が出ると噂されていた2月、エレコムからUSB-C to LightningケーブルのMPA-CL10WHが発表されました。
ついに来たか、と買うつもりでいたら、発売は近日中で明記されず、カラーバリエーションもあったはずですが、いつのまにかリリースが消えているという、不可解な状況でした。
それから数日してAnkerからも発売間近のリリースが出ました。
こうして、エレコムとAnkerのどちらが先に製品を出すのか、固唾を飲んで見守ることになったのです。
AnkerからMFi認証済みUSB-C to Lightningケーブル登場!!!
このような経緯を経て、2019年3月5日(火)、エレコムに先駆けて、AnkerからUSB-C to Lightningケーブルが正式に発売されました!

実に4年にわたって待ち望んだ製品、発売を確認したら、息を吸うように購入しましたよ。
Anker PowerLine II USB-C & ライトニング ケーブルをレビュー
購入日の翌日、到着しました。コンパクトなパッケージ。

Made for iPhone|iPad|iPod。そう、これがMFi認証の証です。

パッケージの中身はケーブルのみ。

なお、ポーチは付属しません。
Apple純正のUSB-C to Lightningケーブルと比較
まずはUSB-Cコネクタ側から。Apple純正品(写真右)に比べると、Anker製ケーブルはやや厚ぼったい感じはあります。

続いて、Lightningコネクタ側。こちらもAnker製ケーブル(写真左)は厚ぼったい感じはあります。とはいえ、細ければいいというわけでもなく、細いと断線のリスクも高くなります。本製品は一般的なケーブルより12倍以上の耐久性があり、12,000回以上の厳しい折り曲げテストをクリアした製品である、と謳っているのでそこはトレードオフでしょう。

ただ、厚すぎてケーブルバイトは無理なので、期待しないように……。

GaN採用のUSB PDアダプターが似合う
そして、このケーブルと合わせて使うとしたら、やはりこれしかありません。新素材GaNを使ったです。白のアダプタに白のケーブル、バッチリです。


※iPhoneに標準付属する純正のLightningケーブルとUSB-ACアダプタでは5V 1Aの5Wしか出力がありません。しかし、本製品との組み合わせなら、USB Power Delivery(USB PD)に基づき、9V 2Aで最大18Wによる急速充電を行うことができます。
もちろんiPad Proからの充電もできる
USB-C to Lightningケーブルには、USB-Cを採用したiPad ProからiPhoneへ給電できる、という特徴があります。Apple純正ケーブルでもできますが、もちろん本製品でも問題ありません。

巨大な画面を持つ12.9インチのiPad Proであれば、10,000mAh以上のバッテリー容量を持つので、モバイルバッテリーの代用としても十分に役立ってくれます。
ブラック版のケーブルも登場
さらに、ブラックのケーブルも発売されたので、こちらも買ってみました(むしろ、こっちを待ってました)。

内容物はブラックもホワイトも同じです。

MFi認証済みとしては、これが世界初のブラック版USB-C to Lightningケーブルだったりします。(Apple純正のブラックケーブルは存在しないため)

ホワイトと2色揃いました。

両方とも、USB-C端子の方にAnkerロゴが入っています。

これで、USB PD対応のACアダプタで白黒ケーブルを揃えることができました。

※黒のUSB-C ACアダプタはcheeroのCHE-324です。こちらは18Wまでの対応ですが、iPhone/iPad Proならこれで十分です。プラグが折りたたみ式なので、ついつい便利に使ってます。

まとめ
まさかケーブル1本でこの分量の記事を書くことになるとは思いもしませんでしたが、以上がUSB-C to Lightningケーブルをめぐるストーリーでした。

あとは、30cm(0.3m)のケーブルとか、シルバーやレッドのケーブルが欲しいところ。そのうち出るんでしょうけど。
1本持っておくと何かと便利な、安心のAnker製USB-C to Lightningケーブル、オススメです!(Apple純正品を持っている方も、予備にもう一本、ぜひ!)
