これまでさまざまなポータブルオーディオ機器をレビューしてきて思うのは、iPhoneの音楽再生能力が優秀だということ。有線でもそれなりに綺麗だし、BluetoothもAACだけでも綺麗だし。
とはいえ、専用機には専用機の良さがあります。いわゆるDAP(デジタル・オーディオ・プレイヤー)ですが、専用の高音質チップを搭載し、iPhoneとは次元の違うハイクオリティな音を鳴らしてくれます。
ただし、iPhoneからDAPにステップアップするには、利便性の点で問題が2つあります。
1つめは、既存の音楽ライブラリとの同期。iPod全盛の時代のように毎回パソコンに繋いで、楽曲データを転送……なんて今どき面倒じゃないですか?
2つめは、音楽聴き放題サービスへの対応。Spotify、LINE MusicやApple Music、YouTube MusicやAmazon Musicなど、新しい音楽との出会い方が変わってきています。
これらの問題点を解決するのが、DAPのWi-Fi対応です。つまるところ、DAPにAndroidを搭載して、Wi-Fiを使ってネットワークにアクセスさせればいいわけです。なんやかんや、スマホとの垣根が無くなりますね……。
ネットワークに対応したハイレゾDAPを探す経緯は下記のまとめ記事からどうぞ……(長かった)

ONKYO DIRECTでアウトレット品を発見
結論としてONKYOのGRANBEAT DP-CMX1がベストチョイスだなと判断したんです。やっぱりSIMが挿せて、どこでもネットに接続できる点が大きいです。
2017年のスマートフォンとはいえ、GRANBEATはまだまだ高価。しかし、ONKYOの直販サイトである、ONKYO DIRECTでアウトレット品を発見。実売価格よりもかなりお得だたので勢いで買ってしまいました。

楽天モバイルとIIJmioで格安SIMセットで販売中
スマホとして使おうと考えている方で、格安SIMを検討されているのであれば、楽天モバイルとIIJmioがセット販売しています。分割支払いができるので、SIMセットで考えるのであればオススメです。(現在は取り扱いがありません)
ONKYO DP-CMX1 GRANBEATをレビュー
アウトレット品ということで、派手に凹んだりしてるのかと思ったら、思いのほか綺麗。というか、新品?

パッケージ側面にも汚れも凹みもなし。当たり?

「High Fidelity Audio Smartphone」ハイレゾではなくハイファイですね。

パッケージと同じフットプリントのGRANBEATが現れました。

付属品も完備です。

ズッシリくる金属の質感。スマホとしてはかなり重いのに、高級音楽プレイヤーとしては頼もしく感じてしまう、この矛盾。

iPhone XS Maxと比べると、GRANBEATの方がやや小さい感じですが、角ばっているのでそこまででもないです。

充電用のコネクタはMicro USBでした。

重量はケースなどない状態で218.4g。200gを超えるスマホはやはり重いです。

なお、2017年の国産スマホとしては珍しい、デュアルSIM仕様。ドコモ・ソフトバンク・ワイモバイルのSIMが使えます。残念ながらauのSIMは使えません。

スマホとは違うのだよ、スマホとは
このGRANBEATが、他のAndroidスマホと大きく違うのは、3.5mmアンバランス端子と2.5mmバランス端子が同居していること。スマホからはイヤホン端子が無くなる流れなのに、そんなの全然関係ねえ。

そして、音量ボリュームダイヤルが付いている!

スマホにはあり得ないこの贅沢さ。

右側面のボタンも、曲送り・再生/停止・曲戻し、ホールドスイッチと、スマホではなくDAPとしての機能を最優先です。

DACは外から見えませんが、「twin dac」と刻んじゃうこの自己顕示欲。

ONKYOロゴ。

画面左下には「HIGH-RESOLUTION AUDIO」とハイレゾを主張しています。

起動してみれば、見慣れたAndroidのホーム画面。Google Playからアプリを追加することができます。

microSDカードが1枚挿せるので、手持ちの128GBを挿しました。

内蔵ストレージが128GBもあるので、microSDと合わせて256GBもの容量になりました。手持ちの音楽ライブラリが全て入っちゃう……
まとめ
外観のレビューだけに留まってしまいましたが、音質は素晴らしいの一言。ハイレゾ音源だけでなく、Apple Musicのストリーミング音源でさえ一変させてしまう、DAPとしての能力の高さ。一級品です。
ちなみに、保護ケースは↓これを買いました。

GRANBEATの後継機種は出る?
2019年5月15日、オンキヨー株式会社はホームAV事業をSound United社とViper Holdings社に譲渡する協議に入ったことを明らかにしました。
ホームAV事業の譲渡に関する基本合意書締結のお知らせ
https://www.jp.onkyo.com/ir/ir_pdf/20190515_JQIR_joto.pdf
これに伴い、今後のオンキヨーは2つの事業に注力することを明らかにしています。
- デジタルライフ事業……ヘッドホン、イヤホン、デジタルオーディオプレーヤー等のモバイル機器の企画・販売
- OEM事業……家電及び自動車メーカーをはじめとする企業に対して音のソリューションを提供
GRANBEATは、このうち「デジタルライフ事業」に含まれる製品になります。ただ、音楽プレーヤーとしてスマホが全盛の中、立ち位置としてはニッチなDAPの中で、さらにニッチな製品になるので、後継機種は出しづらいのかもしれません。
せめて、OSをアップデートして、USBをType-Cに変えるだけでもいいのですが、やはり望み薄でしょうか……クラウドファンディングとか実施してくれたら乗っかるんですけども。

↓GRANBEATを含む、個性派なAndroidスマホのまとめ記事を作成しました。
